何かに没頭していないと涙がとまらないこともあります。
発覚して３年でしょうか。最初の２年は指揮官として、あの大所帯を見事に統率されました。
見事にと申しても聖人君子でもなければ完全無欠なわけでもなく、
入院中に喫煙がみつかり先生に叱られるようなお茶目さんで、
お酒がお好きで飲みすぎたのがバレてお小言を差し上げる始末
価値観を示して企図の判断を容易にしてくださるお仕えのしがいのある方です。
上番早々に患部が見つかり手術され、びっくりするようなはやさで退院してくださいました。
とにかく笑顔で、
ご自分でも笑顔でいることを課しているとおっしゃっていらっしゃいましたが
笑顔で、いらっしゃるかたです。
美魔女の奥方の写真を酔っては自慢され
隊員とよく走ってくださって
重職に２年も、任務を完遂してくださいました。
とても、とても楽しく勤務させていただきました。
職務を離れ
再発され入院されたと聞き、飛んでいきました。
もうだめかもしれない、とおっしゃるのを聞いて
どう返したらいいのか言葉にならず
神様どうか、と祈る私と
神様もう、と思う私とが
葛藤しているのを悟られまいと一生懸命話しました
きっと笑顔でいる分お辛かったのではなかろうかと
でも絶対にそんなことを考える方ではないので余計に申し訳なく
たとえおっしゃったとしても
「でも笑顔じゃなかったらもっとつらかったんじゃないかな」ってきっとおっしゃる
帰り道は人目もはばからずはらはらと流れる目の汗
一度退院されまた自宅近くの病院に入られたと聞き
どうやらお会いできないらしいと噂に聞き
思い出されるのは笑顔
一緒に悩んでいただきながら各拠点を飛び回っていただいて
全員の顔と名前が一致しているのは俺だけだと誇らしげにおっしゃってらした
これからもいろいろな方におつかえしていきますが
指揮官にしかできないことがなんなのか私に見せてくださる方はこの方だけでしょう
今日当時の同僚から昨日と連絡がありました。
加えて、当時の部下であの方が幹部にしてくださったふたりが、片方は１年以上音沙汰もなかったのに、今日それぞれ連絡を寄こしました。
奇遇とは思えません。
戦い抜いたあの方がどうかもうおだやかにいらっしゃいますように
せめて今日このひと時はあの方の安寧を祈る時間に
（2017.8.31追記）
告別式に参列することができました。ありがとうございます。
