そろばん

私はそろばんをこよなく愛してますので私の前で愚弄してはいけません。
開平や開立が人の力でできることを知ったのはそろばんです。
自分のTOPVIAをperseveranceにしたのもそろばんが大きいと思います。

過去の話になります。

なんで珠算に興味がわいたかと申しますと、近所の珠算教室から聞こえるそろばんの合奏の音を美しいと感じたからです。
ひとたま動かした音なんてたかが知れていますよね。聞こえるかすらおぼつかないかすかな音です。
それが、教室から秋の虫の音のような多層の音の重なりが聞こえて、とても魅力的だったのです。
自分も奏でたいなあと。それが動機だったように思います。
母にねだって小学校に入ったらね、と約束してもらい、無事に通うことになりました。
最初は週4でしたが、そのうち週5毎日1時間、時間がありました。
最初は退屈なんですよね。暗算でできちゃいますし。
宿題も答え写してたりしましたね。小1から何をしているのだか。

そんな自分を知ってか知らずか父からは青竹の話をされました。いつか壁がくるよ、と。
それは4級のときでした。1年間昇級できませんでした。
3年生のころだったような気がします。お友達のお稽古が隣の芝となり「そろばんやめて〇〇やりたい」などと言ったこともありました。
結局やめずに続けていたら、合格できました。実力がついたという感覚はまったくなかったので、長かったなあという思いと喜びと安堵でした。指を動かす精度だけなんですよね。所望の正確な運指の習得に1年かかったということです。
そのあとはとんとんと、市や県のレベルですが、競技会で入賞したりしてました。
検定は、当時商工会議所のものと全国珠算教育連盟のものがそれぞれありました。今でもあるのかな。
全国珠算教育連盟のほうが科目が多かったので練習はそちらで、検定はそれぞれ受検しておりました。
対比させると全国珠算教育連盟の2段が商工会議所の1級と同等です。
2度目の壁です。全国珠算教育連盟の3段と商工会議所の1級がなかなか取れませんでした。
今でもよくわかりませんが、6年生の最後の最後の試験で両方合格できました。冬は指が寒くて動きにくいので難しいのですが有終の美です。今の自分にはなかなか考えにくい成果です。あの時自分は何をしていたのだろう、と思うのです。毎日1時間、コツコツと、やっていたことしか覚えていない。おそらく何かしているのですが全く覚えていないという情けなさです。努力は裏切らない、という経験になってよかったですがあわよくばもう少し記憶が欲しいです。そのとき集中というほど集中していたというよりは澄んでいたのは覚えているのですがどうやってそうなったのか全くです。

冒頭のような出会いなので、一番好きな瞬間は検定や競技会の「はいはじめて」の声とともにはじまる合奏の一部になったときです。オーケストラもブラスバンドも雅楽も好きですが、これも音楽だと思う人はほかにいらっしゃるでしょうか。いらっしゃったらぜひお友達に。

計算としての役割は電卓にすっかりとってかわられましたが、自分の中でそろばんは基礎をつくってくれた習い事だったなあと改めて思います。

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